2025年08月12日

日本在住の外国人に延滞・未払いが発生した場合の督促方法とは?

日本在住の外国人に延滞・未払いが発生した場合の督促方法とは?

日本在住の外国人数は毎年過去最多を更新し続けています。これまで日本人向けの督促しかしていなかったサービス提供事業者でも、外国人の延滞・未払いへの対応が求められるシーンが増えているのではないでしょうか。今回は日本在住の外国人がどのような料金を延滞・未払いしやすいか、延滞・未払いする理由、延滞・未払いが発生した場合に督促する方法について解説します。

日本在住の外国人が延滞・未払いをしやすい料金とは

日本在住の外国人はどんな料金を延滞・未払いしやすいのでしょうか。特に以下の6つが挙げられます。

家賃

家賃の滞納は日本在住の外国人が最も延滞・未払いをしやすい料金の一つです。未払いのまま国に帰ってしまい、連絡も取れず請求不能、額が大きいのに泣き寝入りするしかないというケースもよく耳にします。海外だと保証会社の仕組みが存在せず延滞=即退去のケースが多いですが、日本の場合は保証会社がありさらに3ヶ月程度は延滞しても退去にならないことが一般的なので、その状況に甘えて家賃を延滞しがちになってしまう傾向があります。また、更新料の文化が無く、契約解除料を払わなくてもいつでも退去できる国が海外は多いため、いざ退去となった時に契約解除料を払うお金がない、更新時に更新料が払えないということもあります。

携帯電話料金

日本の携帯電話料金の仕組みは世界の中ではかなり特殊で、外国人には理解するのが非常に難しく、料金支払いのトラブルが起こりがちです。まず、海外だと携帯電話本体を家電量販店等で購入しSIMは別途自分で契約するケースが多く、日本のように携帯+SIMのセットで購入という商慣習は一般的ではありません。また、日本は24ヶ月契約が当たり前ですが、海外ではいつでも解約できることが多いです。さらに、日本だと「実質機種代無料」のような呼び文句で24ヶ月契約を推奨しますが、24ヶ月以前に解約すると機種代実費がかかる等を外国人はなかなか理解できないためトラブルになるケースがあります。さらに海外だとSIM購入時に通話料とデータ通信料を先払いしているため、延滞がそもそも発生しないという違いもあります。

水道・光熱費

水道・光熱費は、海外の場合家賃に含まれていることが多く、外国人は住人に請求がいくことに慣れていない人が多いです。さらに、期限を過ぎてもすぐには利用停止とならないので、延滞しがちになります。また、「水道や電気ガスを全く使わなくても基本料金は発生する」という理解がなく、国に長期帰国中等、知らずに延滞料金が発生するケースもあります。

医療費

海外の場合、受診前に費用が示されることが多いですが、日本の場合は受診後のため、外国人は高額な請求に驚き払えないとなるケースがあります。また、保険証を持参しないと10割負担となりますが、あとで持ってくれば返金される旨を理解しておらず、未払いのまま連絡が取れなくなるということも起こりやすいです。

社会保険料

社会保険料(健康保険、国民年金)は日本在住者全てに支払い義務があります。しかし、外国人の場合、いつか自国に帰るため国民年金は払う必要がない、払いたくない、という理由で未払いをするケースがあります。もちろん、長期にわたる未払いは差し押さえの対象となりますが、差し押さえの対象になりますが、それを理解していない外国人は多いです。健康保険料は職場があれば天引きされますが、自営業や日雇い労働者、主婦(夫)等の場合、自分で支払わなければならないため、後回しになったりお金がなくて払えないということが起こりがちです。

住民税・所得税

住民税は日本の場合翌年課税方式のため、日本で働き始めて2年目に最初はなかった請求が来て驚くケースがあります。特に困るのは、1年間働いて退職、もしくは帰国となった場合に、住民税の納付書が届くこと。仕事がないのに税金を払えない、もう日本には戻らないからいいやとなり、未払いのまま帰国してしまうということはよくあります。また、所得税に関しては、雇用されている外国人は通常給与から天引きされますが、アルバイトを掛け持ちしているような場合、源泉徴収額が足りず追加徴税となることも多いです。その場合も意味が理解ができなかったりお金がない等で、滞納しがちとなります。

日本在住の外国人が延滞・未払いをする理由

日本在住の外国人が延滞・未払いをする場合、督促がきていることがよく伝わっていないことが多いです。なぜ伝わらないのでしょうか。

通知の内容を理解できていない

メールやSNS、郵送物等で通知が届いていても、日本語が読めておらず内容を理解できていないケースは多いです。オペレーターが電話で話すと話が通じるため、支払わなければいけないことをそこで理解するケースはありますが、外国人にとってひらがなとカタカナと漢字が混ざり合った日本語の文章を理解するのは非常に困難です。どんなに日本語会話が達者でも文字が読めないケースはむしろ多いと頭に入れておく必要があります。また、名前が日本名でも結婚して苗字が現地名から日本名に変わっていたり、氏名を日本風の通名にしているケースもあります。サービスの申込時、登録時にしっかり外国人である旨の情報を残しておくことが大切ですし、サービス中のコミュニケーションで少しでも違和感を感じたら、日本語の文章が読めるか確認することが必要です。

仕組みやリスクが理解できていないので後回しになる

滞納をすると賃貸住宅からの退去、各種サービスの停止、差し押さえなど様々なリスクがありますが、外国人はリスクを理解していないことが多いです。結果、手遅れになってから様々な関係機関に助けを求めることになります。

滞納してもなんとかなると思っている

海外の場合、延滞があると即サービス停止となることが多いですが、日本の場合はある程度猶予を見てもらえるので、「家族への送金等を先にして支払いは後回しで良いや」となりがちです。なんとなく後回しにするうちに数ヶ月分の延滞になってしまうケースがあります。また、日本を退去しての帰国が近づいている場合、帰ってしまえば逃げられるという考えから支払いをおろそかにすることもあります。

日本在住の外国人が延滞・未払いをした場合にどのように督促、対応するか

日本在住の外国人の延滞や未払いに対して、どのような督促・対応をすれば良いのでしょうか。理解できるように伝えること、今後起こりうるリスクの説明が必要です。

通知やコミュニケーションの多言語対応

日本語以外だと、英語、中国語、韓国語あたりは対応していることが多い印象ですが、他に日本に住んでいる外国人の国籍で多いのはフィリピン、ベトナム、ブラジル、ネパール、インドネシア、ミャンマーなどが挙げられます。外国語が話せるオペレーターを用意することはもちろん、日本語の文書を読めない外国人も多いため、確実に伝えるのであれば母国語で書いた文書で連絡するのがベストです。簡潔な文章であれば、AIによる翻訳でも今はそれなりに精度の高い現地語の文章は作れます。

払わないとどうなるかをわかりやすく説明

払わないと信用情報に傷がついたり、差し押さえ、退去などのリスクがあることを理解していないことが多いため、わかりやすく説明をする必要があります。口頭でなんとなくわかったような反応をしても実はよく理解していないことが多いため、イラストや図などをうまく使って直感的に理解できるような説明を工夫することが必要です。また、いつまでに支払わないとどうなるのかを明確に伝えることも大切です。曖昧なままだといつまでも後回しにされることがあるため、例えば「来月の15日までに支払わないと裁判所に訴えます」というように伝えて、危機感を持ってもらう伝え方をしましょう。

定期的に粘り強く連絡

延滞・未払いの外国人に対しては、定期的に粘り強く連絡することが必要です。連絡頻度が少なかったり、内容がよく伝わっていないと、支払いを後回しにされる可能性があります。支払わないと大変なことになるということが伝わるように、根気強く対応しましょう。

外国人に伝わる督促をすることが大切

外国人に限らず、未払いに対する督促はオートコールやSMSなどを用いて自動で行うことが一般的となりました。しかし、せっかく自動化して効率化しても、内容が理解されていないのでは督促の意味がなくなってしまいます。まず外国人であることがわかった段階で、何語で会話ができるのか、何語の文章が理解できるのかまで把握しておくことが大切です。督促時というよりは申込時に情報を得て、それを記録にしっかり残しておきましょう。

 

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